一間四方の小さな校倉で、正面扉の内外に四天王、内部側壁には大般若経有縁の菩薩や十六善神が描かれています。 床下の四方にも十六善神を4躯ずつ線刻した板石がはめ込まれためずらしい形式です。 軒に垂木を用いない様式は本堂の様式と同様です。また板石の彫刻は石仏龕の諸仏と同じ表現の仕方で彫られています。 この宝蔵には当山開基とされる朝野魚養の筆になる大般若経六百巻(天平時代)が納められていました。大般若経は明治時代の廃仏毀釈のとき奈良・薬師寺の所有となり、その後、奈良国立博物館、藤田美術館などにも分蔵されることになりました。一般には「魚養経」といわれ、一部は国宝に指定されています。宝蔵は明治15年、東京国立博物館に移され、現在に至っています。
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