南都 十輪院 奈良市十輪院町27 TEL.0742-26-6635

おしらせ

新年のご挨拶

令和8年1月1日

謹んで新年のご挨拶を申し上げますとともに、昨年も当山への多大なお支えとご理解を賜りましたこと、厚く御礼申し上げます。
「うちの家は真言宗です」という方もいらっしゃれば、「私は無宗教です」と仰る方もおられると思います。当山の宗派は「真言宗醍醐派」ですが、真言宗だけでも18の派があり、日本の伝統仏教の諸宗、神道、キリスト教など、実際のところ私たちは、濃淡の差はあれど、少なからず様々な宗教の世界観に日常的に触れています。
私自身、父もそうだったように、お寺に生まれ住職となりましたが、住職の世襲にはどちらかというと否定的な考えを持っていますし、檀家制度が希薄になっていく時代とはいえ、「うちの家は〇〇宗」という言い方には些か不安を覚えます。
そんな私でも、やはり私たち人間には、信仰という名の何かしらの人生観(この世界に対する理解)が必要だと思います。そしてその信仰は一人ひとりにご縁や選択があるものと考えています。
私が住職になったことも何かのご縁でしょうから、そのご縁の中で、私自身が納得してお勧めできる、真言宗の特色を改めてご紹介させていただきます。
真言宗(真言密教)が他宗と教義を異にする最大の点は「即身成仏」です。死後や未来に成仏するわけでもなく、長い修行を経て悟りに至るわけでもなく、煩悩そのものを智慧へと昇華させ、「今ここですでに仏であることに気づく」というものです。
急に難しく感じられたと思いますが、続きは易しく書きますのでどうかお付き合いください。弘法大師空海も「誰もが可能」と仰ってくださいました。
この世界にはとても強力な摂理・法則が働いています。宇宙にも私たちの体の細胞の中にもです。すべての命が同じ摂理・法則のもとで生かされています。


頭で理解できなくても大丈夫です。実際に次の3つのことを試して確かめるだけです。
その三つをご紹介します。


1.行動を仏の働きに近づける(例えば)
  • 歩く、座る、物を置く等の所作を丁寧にしてみてください。
  • 屋外でも屋内でもゴミを一つ拾ってみてください。
  • 誰かがお困りの様子でしたら、何もできなくても小さな声をかけてみてください。
  • 道を譲ってみてください。
  • 家族や身近な人、食事としていただく命に感謝してみてください。
  • 感謝を表すときに手を合わせてみてください。

2.ことばを仏の響きにする(例えば)
  • 温かい言葉、励まし、柔和な声掛けを使ってみてください。
  • 自分の口が、仏の口になることを確かめてください。
  • ご存じの方は、「ご真言」を唱えてみてください。
  • 不満や怒り(=まことの言葉ではない、逆真言)は言葉にしないことが出来ることを確かめてください。

3.心を仏の智慧に近づける(例えば)
  • 30秒だけ静かな場所で呼吸を感じて、仏様の姿を思い浮かべ、自分の心が波立っているか確認してみてください。
  • 怒り、悲しみ、不安などネガティブな感情も否定せず、気づきのシグナルと受け取り、すぐに受け流してください。
  • 自分以外の誰かの優しさ、善行に気づいたり、良い出会いがあったときは、それらを仏(=摂理・法則)の働きとして受け止めてみてください。


上記1〜3を習慣化し、毎回起こる“当たり前の結果”に気づいてください。私たちは一人ひとりがすでに仏(=摂理・法則)そのものであり、仏と人は本質的には隔てがないことを確かめていただけると思います。

住職 橋本昌大

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