皆様におかれましては、未曽有の災禍にあってご不安をお抱えの方も多くいらっしゃることと拝察いたしております。仏様のご加護のもと、支え合ってこの難局を乗り越えられることを切にご祈念申し上げます。
本年のお盆行事につきましては、昨年同様、新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から、各檀信徒様のご家庭への棚経(たなぎょう)は原則として中止させていただき、替わりに8月1日から15日までの期間、毎日午前10時から午後4時まで、本堂で順次個別にご回向させていただきました。前半は酷暑が続き、後半は台風や大雨に見舞われましたが、無事、多くの方にご参拝いただけましたこと、ご理解とご協力に改めまして感謝申し上げます。
なお、ご参拝が困難なご家庭には従来通り棚経に伺わせていただきました。最善の方法であったかどうかの確信は未だ持てませんが、ご家庭ごとのご不安に寄り添う形で、少しでもご先祖様にご安心いただける姿をお見せできたのではないかと思います。
また、施餓鬼会法要も昨年同様、例年8月1日午前中に実施させていただいておりましたところを、8月1日から15日までの毎日午前10時から午後4時までに期間を拡大し、個別にご回向させていただく形で執り行わせていただきました。このような時節に施餓鬼塔婆供養のお申し込みを頂き、誠にありがとうございました。
施餓鬼作法では、餓鬼の世界で苦しむ無縁の精霊に食事を供え、仏様のお力によって空腹を満たして差し上げ、救済します。この世界観を持つとき、私たちは「困っている人に何かして差し上げたい」という慈悲の心を呼び起こすことが出来るのではないかとの先人のお智慧です。
日常生活で慈悲の心を盛んに呼び起こすことは難しい事ですが、近年、「おてらおやつクラブ」(https://otera-oyatsu.club/)という仕組みを通じて、全国のお寺からお供えのおさがりを経済的に困難な状況にあるご家庭におすそわけとしてお届けできるようになりました。
皆様よりいただきましたお供えのおさがりも、社会福祉法人・NPO法人・こども食堂等の各種団体様を通じて、主に奈良県内のご家庭におすそわけさせていただきました。また、塔婆ご供養料の一部は、「認定NPO法人おてらおやつクラブ」様へ、寄付させていただきましたことをご報告申し上げます。皆様のご慈悲が、多くのご家庭に届けられますよう、今後も精進してまいります。
【ご参考】
・十輪院より各種団体様へのおすそわけのこれまでの発送回数累計:26回(32箱)
・受け取り団体様よりのメッセージ:
「沢山のおすそ分けを有難うございます。子供達に早速配達をしたいと思います。感謝の言葉でしかあらわせませんが、有難うございました。」
「毎月送っていただくお菓子は、金曜日に配達していますお弁当と一緒にこどもたちに配っています。今回もありがとうございました。」
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