近年はお葬式の形態が多様化しています。一般葬以外に、家族葬、直葬、音楽葬、自由葬、生前葬などが挙げられます。一時の華美であった葬儀に比して、穏やかになった感じがします。どのような形態を取ってもお葬式の意味を理解しておくことが大切です。
「葬式」といえば、枕経から火葬までの一連の流れを指しています。
「葬儀」は僧侶がする作法で、亡き人の魂を仏の世界に送り出す意味があります。
「告別式」は最後のお別れのセレモニーです。
直葬、音楽葬、自由葬、生前葬などは告別式と同じ意味合いと言えます。
ご不幸は突然にして起こり得ます。悲しむ間もなく、葬儀の準備や手配に追われるのが常であります。しかし、大切なのはやはりご臨終のお別れを心ゆくまで行うことでしょう。ご臨終を迎えられる前に、葬儀の準備をしておくことは大切ですが、慌てて葬儀の準備をする必要はありません。一日や二日くらいは亡き人と語り合うくらいの余裕が必要です。葬儀社を選ぶ際も、その点を配慮してくれるところが望ましいです。
経済的な面で、葬式を執り行うことが困難な場合があります。しかし、かつてはお金がなくても葬儀はできました。すべてお香典で賄えたのです。どちらかというと余ることが良くありました。なぜ戒名が必要か分からないので付けて欲しくないという人がいます。しかし、死者を仏の世界に送り出すには、仏教信者でなければなりません。その証となるのが戒名です。
当山では、「やすらぎ葬」という骨葬ができます。二字戒名なら戒名料は必要ありません。直葬は是非とも避けてください。後々心が不安になるケースが良くあります。
葬儀日取りの手順としましては
1.まず菩提寺(当山)にご連絡ください。午前8時から午後8時の間にお願いします。夜中の連絡は避けてください。それで充分間に合います。一応の日取りを決めます。
2.菩提寺への連絡のあと、葬儀社へ手配をしてください。日取りを伝え、葬儀社や火葬場などの都合を聞いて再度調整します。
3.葬儀の前に、枕経、通夜の読経があります。枕経は亡くなったことを仏様に知らせるための読経です。通夜は死を確かめるために夜通し眠らずにそばにいて、遂には死を受け入れるための時間です。読経は本来必要としませんが、悲しみを少しでも癒すために行われています。
4.葬儀は告別式とは別のもので、亡くなった人の魂を次の世にお送りするための儀式です。告別式とはお別れの式で、近年葬儀と同時に行われるようになりました。一般に「お葬式」という場合は葬儀と告別式を合わせた意味合いで使われています。導師は葬儀を、参列者は告別式を行っているとも言えます。
5.お葬式についてのご質問がありましたら、お問合わせください。
十輪院 住職 橋本純信
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