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こころの便り
2015/04/20
四摂法(ししょうぼう)

聞きなれない言葉かも知れませんが、菩薩が私たちに少しでも仏道を歩ませるように説かれた、だれにでもできる四つの菩薩の行為です。菩薩の精神は、人を幸せにしないかぎり、自分の幸せは得られないというものです。その精神の究極は、奈良・法隆寺に伝わる「玉虫の厨子」(国宝)に描かれている「捨身虎図」に表されています。飢えた子供の虎に身を捧げる絵です。

私たちはそこまではできませんが、次の「四摂法」なら可能です。
1. 布施(ふせ)・・・物質的、精神的に得たものを独り占めしないで、分か ち合うこと。
2. 愛語(あいご)・・・優しいことば、慈愛に満ちたことば、愛情のこもった ことばをかけること。
3. 利行(りぎょう)・・・見返りを求めずに、人のためになることをする。
4. 同事(どうじ)・・・相手の立場に立って、物事を行うこと。


「摂」という字は、<すべてをとる>という意味を表します。四つの行為を合わせ行うことで菩薩の道を歩むことができるといわれています。

宮沢賢治の『雨ニモマケズ』に、
東に病気の子供あれば、行って看病してやり
西に疲れた母あれば、行って稲の束を背負い
南に死にそうな人あれば、行って怖がらなくていいといい
北に喧嘩や訴訟があれば、つまらないからやめろといい
という一節がありますが、これがまさしく菩薩行の「四摂法」を表しています。

十輪院 住職 橋本純信