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こころの便り
2015/01/01
敬礼三寶謹賀新年 三界万霊(さんがい ばんれい)

当山をはじめどこの寺でも日々供養している、すべての死者の霊魂のことを三界万霊といいます。では、三界とはどんな世界なのでしょうか?「三界の火宅」「女三界に家なし」「子は三界の首枷」という諺がありますが、三界を理解している人は少ないと思います。


六道(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天上)という生死を繰り返す迷いの世界を、欲界(よっかい)・色界(しきかい)・無色界(むしきかい)に大別して、これを三界といいます。この世界を超えたところに悟りの世界があります。

欲界は煩悩にまみれた世界です。色界は物質に執着する世界です。そして無色界は欲望も物質欲も超越し、精神安定の世界です。それぞれにまた幾つもの世界があります(下図参照)。


それでは私たち人間はどの位置に住しているのでしょうか?四大洲の一番下の瞻部洲(せんぶしゅう)にいます。仏の住む世界である須弥山(しゅみせん 高さ56万㎞)の南麓にあるので南瞻部洲ともいいますが、すぐ下には八大地獄が控えています。無間地獄は地下14万㎞にあるとされています。堕ちると大変です。

六欲天から上を天上界と呼んでいます。三十三天には帝釈天が住んでいます。夜摩天は閻魔大王が住し、兜率陀天(とそつてん)には弥勒菩薩の宮殿があります。他化自在天は天摩と称し、仏道の妨げをします。

色界は四天に別けられ、17段階があります。上に行くほど仏の世界に近づきます。

無色界は煩悩が一番少ない世界です。中でも非有想非無想処という所は仏の世界に最も近い世界ですが、この上はないので、あとは下に行く道しかありません。別名有頂天(うちょうてん)と称しています。この言葉は今でもよく使用されています。


仏教の世界観は壮大で、かつ詳細に描かれています。仏教思想の原点ともいえるものなのです。

平成27年元旦 十輪院 住職 橋本純信