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こころの便り
2013/01/01
謹賀新年 敬禮三寶 「幸せへの欲求」

昨年暮れの衆議院総選挙では自民党が圧勝しました。人々は、停滞した経済を何とか立て直して欲しいという意思を示したように思います。

内閣府の国民選好度調査によりますと、「国民全体、社会全体の幸福度を高める観点から、政府の目指すべき目標は何か」を尋ねた質問に対し、「公平で安心できる年金制度」「安心して子どもを産み育てることが出来る社会」を挙げた人が多かったようです。一方で、「個人の幸福度を判断するに際し、重視する項目は何か」という質問では、「健康状況」「家族関係」「家計の状況」という回答が過半数を占めました。今回の選挙では「家計の状況」に関心が集まったといえるかも知れません。人は今より豊かな生活を望み、更なる経済的ゆとりを欲しているようです。

 

アメリカの有名な心理学者、アブラハム・マズローは、「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生き物である」と仮定し、人間の欲求をピラミッド型に5段階に分かれるとしています。

一番下の「生理的欲求」とは、人間が生きていく上での基本的な欲求です。食欲、睡眠欲、性欲、排泄欲といった根源的、本能的なものです。

二番目は「安全の欲求」です。経済的安定、健康の維持、生命の安全を願う欲求です。

三番目は「社会的欲求」です。これは良好な人間関係、帰属意識を持ち続けていたいという欲求です。

四番目は「自我の欲求」です。他人から称賛されたい、名声や注目を得たいという欲求です。更には自分自身を評価したいという欲求も含まれます。

五番目は「自己実現の欲求」です。自分の持つ能力や可能性を最大限発揮し、具現化して自分が納得できる人間になりたいという欲求です。すべての行動の動機が、この欲求に帰結されると定義されています。

私たちは日々五番目の欲求に向かって努力しているでしょうか?「安全の欲求」「社会的欲求」ばかりを求めているのではないでしょうか?「自我の欲求」を目指すのもいいですが、他人からの評価より自分自身の評価を重視したいものです。

人間として成長するなら「自己実現欲求」の実現をめざしてはどうでしょうか?

本年もよろしくお願いします。

十輪院 住職 橋本純信