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こころの便り
2011/03/25
通夜、葬儀、告別式

最近は、「家族葬」と言うお葬式が市民権を得るようになって来ました。さらには「直葬」と言った言葉も聞きます。ところが今までよく耳にした「密葬」「本葬」という言い方はあまり聞かれなくなりました。また「葬儀」と「告別式」とはどう違うのでしょうか?

 

 人が亡くなると、枕経、通夜、葬儀そして告別式の順で一連の儀式が執り行われます。それぞれの意味を考えてみましょう。

 

 「枕経」とは、亡くなって初めて、ほとけに対し死者をよろしく頼むという意味で唱えるお経です。通常枕もとで行いますが、死者に対して唱えるのではありません。

 

  「通夜」とは、昔のモガリが発展したものと言えます。すなわち、時間をかけて死を確かめる意味があります。従って夜通し遺族が付き添い、僧侶の読経は本来必要とはしません。

 

 「葬儀」は、死者の霊を次の世に送るための葬送の儀式です。僧侶は引導作法を行い、霊魂がほとけの世界に赴くように、ほとけに願います。死者に戒名がなければ、仏教徒であるかどうか判断ができませんので、戒名を付けなければなりません。

 

 「告別式」は、文字通りお別れの儀式です。僧侶は「葬送」と「告別」の作法を区別して行います。

 

 一番重要な部分はやはり「葬儀」ということになります。一連の作法はすべて本尊となるほとけに対して行われるもので、死者を拝むことはしません。

 

 「家族葬」とは、この一連の儀式をごく身内だけで行うことを言います。今まではこのような儀式を「密葬」と呼んでいました。後日改めて「本葬」を執り行い、多くの縁者と共にお別れをします。従って「本葬」は「告別式」の意味合いが強いと言えます。

 

 「直葬(じきそう)」とは、「葬儀」の部分を省いたもので、僧侶の引導作法はありません。宗教の存在しない「通夜」と「告別」のみで、死後の世界観はないということになります。

 

 なぜ宗教があるのでしょうか?なぜ死後の世界観が必要なのでしょうか?考えてみてください。

十輪院 住職 橋本純信