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こころの便り
お盆

お盆っていったい何や。何でお盆と言うのや。
よく聞こえてくるような質問です。
そのお盆についてすこしお話をしましょう。

日本では仏教伝来以前より、祖霊崇拝の信仰がありました。日本だけでなく、中国大陸、アフリカ大陸でも盛んです。仏教伝来後、それまでの祖先崇拝とが融合して現在のような風習が生まれました。


「お盆」の言葉の由来はサンスクリット語で「ウランバナ」の音写から正しくは「盂蘭盆(うらぼん)」と言います。「ウランバナ」とは逆さまに吊らされるような苦しみを意味します。


釈尊の神通力第1の弟子目連尊者が自分の母親が餓鬼の世界で苦しんでいるのを見て、その理由を釈尊に聞いたところ、「彼女は自分の子供を愛する気持ちが強すぎて他人の子供を苦しめることをしてきた。その報いである。」と説きました。


目連は自分を立派に育ててくれた母親をどうしても救いたいので、その方法を尋ねたところ、釈尊は「母に対する孝行心だけでは救えない。餓鬼の世界で苦しんでいるすべての者のために修行をしている僧たちの行が終わる7月15日に、その僧たちへ供養を施しなさい。そうすれば彼女は救われるでしょう」と告げました。


目連の母親は特別身勝手な人間ではありません。誰でも自分の子供は可愛くて、愛情を注ぎます。他人の子供のことは目に入りません。知らず知らずのうちに、他人の子供を傷つけているかも知れません。自分の子供を可愛がるのと同じように他の子供にも愛情を注いであげなくてはなりません。
それが仏教でいう慈愛の実践です。


また供養も自分の祖先だけのためにしていてはだめで、餓鬼の世界に落ちているすべての者を救う気持ちで供養しなければ、本当の供養とは言えないでしょう。


お盆はこのような祖先供養のためにだけあるのではありません。家を出て外で働く若者が親に会いに来る日でもあります。その日は生きている<生き御霊(みたま)>と対面し、共に食事をしたり、お互いの健康や長寿を祝う行事でもあります。このような習慣は室町時代から各地で行われています。